【EFCカタパルト参加者インタビュー】 カタパルトで学び、インターンで深める。研究室を飛び出して、研鑽を積む毎日
アルサーガパートナーズ株式会社インターン (九州大学大学院マス・フォア・イノベーション連係学府在学)藤吉裕輔さん
福岡市が主催する、大学や専門学校生、高専生のための特別プログラム「データエンジニア・カタパルト(以下、カタパルト)」。
市内のIT企業がメンターを務め、実践的なプログラミング技術を、約5ヶ月間かけて学びます。
今回お話を伺ったのは、九州大学大学院1年生の、藤吉裕輔さん。
2023年実施のカタパルトに参加し、2024年の4月からは、アルサーガパートナーズ株式会社でインターンをしています。メンター役の同社・片山貴裕さん(写真右)にも同席いただき、カタパルトの意義やインターンとしてのやりがいについて伺いました。
研究だけじゃなく、実社会で役立つ学びを
本日はよろしくお願いします。まずは、藤吉さんがカタパルトに興味を持ったきっかけを教えてください。
藤吉:同じ九州大学で、学部も一緒の友人がカタパルトの2期に参加していて、話を聞いて興味を持ったことがきっかけです。自分としては、将来は研究の道に進むかエンジニアになるか、まだ決めきれていなくて。そんな中で、カタパルトへの参加はアプリ開発やチーム開発の経験が得られ、メンターさんとも出会える良い機会だと考えました。
大学ではアルゴリズムの研究をしているのですが、実際に人に使ってもらうには、アプリにするなど何らかの製品化が必要になるので、形にするまでの流れをひと通り学んでおけるのは良い経験になると思ったんです。
カタパルトでは、どのようなことに取り組みましたか?
藤吉:企業が抱える課題を解決するアプリを作ることを最終目標に、3人1組でチームになってお題を考えました。そして、ChatGPTとSlackをつないで社内のノウハウ蓄積を簡便にする、デベロッパー向けのアシスタントSlack Bot「チャッピーくん」を制作しました。
チーム名は「ごまだれ」。名前の由来は、メンバー全員が好きだったという程度で、深い意味はありません(笑)。
カタパルトに参加して、特に学びになった点は、どのようなことですか?
藤吉:ハッカソンに参加すること自体が初めてだったのですが、メンバーとコミュニケーションを取りながら進めていけたので、途中からは結構楽しめました。
みんなで開発の大きな流れを考えて、その後にそれぞれ得意分野で役割分担をして、細かい機能を補って。実際のアプリ開発の流れが把握できたのは良かったですね。
今までは自分一人で考えて取り組むことが多かったのですが、チームで何かを成し遂げる大切さを学べたと思います。
AIの最前線で試行錯誤する日々
藤吉さんとアルサーガパートナーズとの出会いについても、教えていただけますか?
片山:データエンジニア・カタパルト2023のデモデイ(成果発表会)を支社長とマネージャーが視察し、光るものを持っていた藤吉さんに弊社に来てほしいとお声掛けしたと聞いています。
私たちアルサーガパートナーズは東京・渋谷に本社を構えるIT企業ですが、2023年7月に福岡支社を設立し、福岡や九州での事業展開や採用活動を本格化させています。
福岡市から説明を受け、学生のエンジニア育成の試みに共感し、私たちも未来のエンジニアの成長に寄与できればと思い、インターンシップ企業として参加させていただくことになりました。
https://www.arsaga.jp/
藤吉:アルサーガパートナーズさんにお話を伺って、AIを使った事業展開をしていたことが自分の関心テーマと大きく重なり、ぜひインターンをさせてほしいと伝えました。
2024年の4月から 、大学の学業と両立させながらオフィス通いをしています。
片山:私たちは、企画・構想・開発からリリースまでワンストップで対応でき、私のようなエンジニアだけでなく 、コンサルタントやマーケターなど他の専門分野の方々と協力する機会も多くあります。
福岡にいながら東京をはじめとした全国の仕事をして、成長できる環境を整えているので、藤吉さんにもぜひ、このインターン期間中にたくさんの経験を積んでほしいと思いますね。
インターンではどのような仕事に取り組んでいるのでしょうか?
片山:藤吉さんにお願いしているのは、AIのプロンプト(GPTやLFMに対する指示文)の考案や、プロンプトの回答を利用するためのロジックなどを新しく考案し、実験してもらうことです。こちらのリクエストに対して望んだ答えが返ってこない場合に、どんな指示文を出すべきか。その試行錯誤をしてもらっています。
藤吉:実はカタパルトの最終デモンストレーションの時にも、同じような内容に取り組んだので、その先をインターンとしてさらに深めさせてもらっている感覚ですね。
インターン経験によって、さらにどんな学びがありましたか?
藤吉:研究だけではなく、技術を社会に生かしていく活動は改めて面白いなと感じましたね。カタパルトの場合はあくまで自分たちで決めた課題ですが、仕事の場合は実際にお客様がいらっしゃるので、緊張感も、その分の手応えも違って、学びになります。
スタートからゴールまでを一貫して学べる
片山さんが普段感じていらっしゃる、エンジニアの仕事の楽しさについても聞かせてください。
片山:基本的にはクライアントのオーダーに従って仕様を決めて開発を進めていくわけですが、より良いアプローチができないかは、いつも考えています。この新しいツールを使えば、もっと効率的に処理できるかもしれない。しかし、初めて使うツールの場合、当然わからないことも出てきます。壁に突き当たり、悩み、解決して前に進んでいく。そういう地道な歩みの中に、やりがいを感じますね。
ありがとうございます。では最後に藤吉さんから、カタパルトに参加するかどうか迷っている人に向けて、アドバイスをお願いします。
藤吉:まずは、初心者でも参加しやすいプログラムなのがすごく良いですよね。それから、スタートからゴールまでの軸がしっかりしていて、サポートもあるので勉強にもなります。私のようにインターンにつながる可能性もありますし、そうなれば先の展開も大きく変わってきます。
参加して良かったと心から思えるので、皆さんもチャンスを掴んでほしいと思います。
今後のご活躍に期待しています。本日はどうもありがとうございました。