初めてのハッカソン参加。机上の学びを実践に変えて、自分の可能性が見えてきた
株式会社しくみデザイン(N高等学校出身)秋穂正斗さん
EFCの開発コンテスト「Engineer Driven Day(EDD)」に参加し、制作したアプリでEFCアワード2023のプロダクト開発部門賞を受賞した、秋穂正斗さん。当時はN高等学校の3年生で、若干18歳での受賞とあり、話題をさらいました。2024年春より、株式会社しくみデザインにジョインし、エンジニアとして活躍しています。
今回は、そんな秋穂さんにインタビュー。EDD参加のきっかけやそこで得られたもの、現在の仕事について、伺いました。今の仕事を「ドリームジョブ」と語る秋穂さんのストーリーを、どうぞお読みください。
好きなことだけ学び、好きなだけ寝る生活
本日はよろしくお願いします。まずは、プログラミングやエンジニアに興味を持ったきっかけを教えてください。
小さい頃から、モーターを使ってロボットを作ったり、動くものを作って遊ぶのが好きでした。小学生の頃にハードウェアを制御するプログラミングに興味を持ち、スクラッチにはまって。久留米にある「CoderDojo久留米」にも通って、そこでいろんなことを学びましたね。
高校はドワンゴ学園のN高だったので、授業の選択も大学のように自分で興味があるものはオンラインでどんどん受講できました。それが楽しくて、1日20時間ぐらいプログラミングの勉強をして。「好きなことだけ勉強して、好きなだけ寝れるなんて、最高な人生だ」と思ってましたね(笑)
EDDに参加したきっかけを教えてください。
高校生活も最初の1年はめちゃくちゃ楽しかったんですが、勉強しているだけだとだんだん飽きてきちゃって、実際に世の中に発信できるものを作りたいなと思ったんです。
それで、福岡未踏(福岡未踏的人材発掘・育成コンソーシアム)などに参加する中で、EDDに出会いました。ハッカソンというもの自体もその時に始めて体験したのですが、プレッシャーもなく楽しめましたね。
どのような発想から、今回のアプリ(楽曲データ + AIを用いた好み検索アプリ)の開発に至ったのですか?
カラオケが好きなんですが、仲間とカラオケに来て、自分しか知らない曲って、歌いづらいですよね? 自分の好きな曲を他人と事前に共有できたり、「その曲いいよね!」と盛り上がったりできるアプリがあれば便利だなと思ったのが、開発のきっかけです。基本的に面倒くさがりなので、例えば自分の得意なキーを1曲ずつ事前にメモなどに残してカラオケに行くより、アプリで管理できれば自分もラクだし、他の人にも使ってもらえると思ったんです。
※秋穂さんが開発した「楽曲データ + AIを用いた好み検索アプリ」の詳細はこちら
https://protopedia.net/prototype/4610
朝から夕方まで、わからないことは訊きまくる
EDDに参加してみた感想を教えてください。
自分なりに勉強して、理論ベースではわかっていたことでも、実際に開発してみるとたくさんの壁があることに気づきましたね。やってみないとわからないからすぐに手を動かそうという精神も、ハッカソンに参加して身についたものです。例えば、ネイティブアプリを作ろうとしたら、実際にどうやってストアに公開するのか。アプリ内でのログインの仕組み、セキュリティの脆弱性など、ユーザーの立場なら当たり前に接しているものでも、自分で作るにはひとつずつハードルをクリアしないといけない。その大変さが、よく理解できました。
メンターとはどんなやりとりがありましたか?
実際に壁にぶち当たったり、こちらの勝手な思い込みに対して、「それはこうしたら解決できる」とか「それならこの方が適してる」と具体的なアドバイスをたくさんいただきました。朝から夕方まで、わからないことは訊きまくりましたね。一人で進めていた時はこんなことはできなかったので、はるかに効率的に進められたと思います。
EDDへの参加を振り返って、得られたことは何だと思いますか?
オンライン学習をしてきたので、一人で学ぶことには慣れていますが、それだと自分のスキルが客観的に把握できないし、Xのタイムラインで高いスキルの持ち主を発見して落ち込むなんてこともありました。でもEDDに参加してみて、実際にすごいものを作っている人にもわからないことはあるし、自分の優れている部分もわかってきたし、無駄な恐怖心もなくなって、自信につながりましたね。これは、その後の自分に大きな影響を与えた経験だったと思います。
一歩踏み出せば、知らない世界が見えてくる
今年からは、株式会社しくみデザインの新入社員として活躍されていますね。どんな仕事をしていますか?
フルスタックエンジニアといって、フロントからバックエンドまで全部一人でやるポジションで、会社のオリジナルのプロダクト「Springin'」に携わっています。まだ入社して数ヶ月ですが、とてもやりがいを感じていますね。もともとビジュアルプログラミング言語に愛着があって、「Springin'」も子供の頃から触っていましたから、それに今自分が携われるというのは、まさにドリームジョブという感じです。
とても充実していますね。では最後に、EDDに参加を考えている方にメッセージをお願いします。
このインタビューを読んだ方は、全員参加したらいいと思いますよ(笑)。参加するのには勇気がいるし、私自身も尻込みしていた頃もありましたが、一歩踏み出してみるにはベストなプログラムだと思います。ここをきっかけに、他のハッカソンなどにも参加できたり、視界が開けるような感覚がきっとあると思います。「迷ってるなら行動しよう」、昔の自分に言うつもりで、そうメッセージしておきたいと思います。
今後ますますのご活躍に期待しています。本日はどうもありがとうございました。