未来を創る、福岡のエンジニアたちの挑戦 | EFCアワード2024レポート①
「エンジニアが集まる、活躍する、成長する街」を目指してスタートしたエンジニアフレンドリーシティ福岡。
その取り組みを推進するため、福岡のエンジニアの活動をより活発にし、その活動を取り巻く環境を向上させていくことを目的とした表彰イベントEngineer Friendly City Fukuoka AWARD2024が、2024年12月19日(木)にエンジニアカフェで開催されました。
福岡のエンジニアコミュニティ文化の発展に貢献するコミュニティや、エンジニアが働きやすい環境づくりや成長支援を行っている企業を表彰します。また、ハッカソン・コンテストEngineer Driven Dayで優れたプロダクトを開発した個人・チームにも賞が贈られます。
今回で6回目の開催。その年を締めくくるイベントとして徐々に定着を見せています。
今回も現地参加とオンライン参加のハイブリッドで開催されました。
表彰式の様子と受賞者LT(プレゼン)の模様を、3回に分けてお伝えします。
初回は表彰式と企業部門・コミュニティ部門の受賞者LTのレポートです。
イベントの動画はこちら https://www.youtube.com/watch?v=2tx5fjyJXJc
エンジニアフレンドリーシティ福岡アワード 表彰式&受賞者の声
今回のEFCアワードでは、エンジニアコミュニティの発展に貢献したコミュニティ3団体、エンジニアが働きやすい環境づくりや成長に繋がる取り組みを行う企業2社、ハッカソン・コンテスト「Engineer Driven Day」で優秀なプロダクトを制作した5チームに賞が与えられました。
表彰式に先立ち、主催者代表であり、表彰式のプレゼンターも務める福岡市長の高島宗一郎より挨拶がありました。
「今の時代を作るのはエンジニアです。皆さんの活躍が人類の進歩、サービスの向上、経済の発展にも繋がるため、エンジニアが暮らしやすく、活躍しやすい街を作っていくことがとても大切になります。
そうした環境づくりのため、福岡市では2019年にエンジニアカフェを創設。2023年には海外からエンジニアを呼ぶ際の在留資格の審査期間を短縮でき、優秀なエンジニアの早期入国が可能となるエンジニアビザというものを日本で唯一使えるようにしました。
このEFCアワードの受賞チームが起業されるケースも出てきています。
そうした中、福岡で活躍される皆さんの日頃からの努力に感謝の気持ちと、心強さを感じています。
その気持ちを込めてこのアワードをお送りします。おめでとうございます」。
【エンジニアが働きやすい環境と新たな可能性を広げる、企業部門】
エンジニアが元気に働ける場所を増やす「アルサーガパートナーズ株式会社」
2016年にシステム開発会社として渋谷で創業し、DXサービスをワンストップで提供している「アルサーガパートナーズ株式会社」。2021年に熊本、2023年は福岡にも支社を構えました。
エンジニアの働きやすい環境・成長支援を行っており、女性社員に向けたサポートなど社員全員のための制度が充実している点が評価されました。
渋谷で創業したのは、エンジニアが元気に働ける場所を全国各地に提供したいという思いから。
拠点を増やす際、大阪や名古屋も候補に挙がったそうですが、「まずはエンジニアフレンドリーシティの福岡から取り組んでいるところ」と執行役員・システム開発事業本部長・福岡支社長の吉富亨氏。
福岡市の企業誘致の支援も福岡支社開設の後押しになりました。
吉富氏は「オフィスでエンジニア同士の交流を図れるものもやっていこうと思っているので、ぜひ気軽に遊びに来てください」と呼びかけました。
福岡から未来を変えるエンジニアの創出を目指す「ホライズンテクノロジー株式会社」
2022年に福岡市西区で創業したITベンチャー企業「ホライズンテクノロジー株式会社」。
社内外のエンジニアが参加できる催しを多く開催している点や、特に福岡、九州における社外のコミュニティやイベントの支援を積極的に行っている点が評価されました。
エンジニアの成長や働きやすさを重視し、AI ツールの活用支援やエンジニアスクールへの通学支援、通常ボーナスとは別に2年毎のボーナス制度や5日間の連続休暇など、キャリアをしっかりと築ける環境を福利厚生として提供しています。
エンジニアが活躍・成長できる機会も多く創出。イベントの主催やメンター、技術カンファレンスの協賛なども行っています。
「未来の世代に『強い日本』を取り戻す」というビジョンの元、意欲あるデジタル人材の受け皿となり、福岡から日本全国へ技術力を提供することを目指しています。
広報の城山有美氏は「『地方から日本を、そして未来を変える』。その第一歩を福岡から」と締め括りました
【エンジニアコミュニティの発展に寄与した、コミュニティ部門】
子どもから大人まで「可愛い」でつながる「CuteeWorks(キューティーワークス)」
電子工作に「可愛い」を取り入れて楽しむコミュニティ「CuteeWorks」。
ものづくりイベントに積極的に参加するなど、エンジニアコミュニティ文化の向上に寄与している点や、子どもも参加でき、幼い頃からエンジニアの文化やものづくりに触れられる活動が評価されました。
2016年から活動していた「女子だらけの電子工作」が、性別や年齢、知識の有無に関わらず可愛い電子工作を一緒に楽しめるように進化したコミュニティです。
「CuteeWorks」は「Cute electric Works」の略。
「電子工作に可愛いが加わったらきっと、最強!」をコンセプトに、無駄のない効率的な設計・製造・製作とは異なるものを作っています。
管理者の山田美穂氏は「『可愛い』というのは一人ひとり違うもの、心動かされるもの、という定義をしています。
可愛い電子工作にご興味のある方、是非ご参加ください」と呼びかけました。
初心者の初めの1歩を応援する「PyData.Fukuoka」
「PyData.Fukuoka」は2018年に発足し、4人で運営しているコミュニティです。
長く継続している点や、頻繁にイベントを開催するなど活発に活動している点、その中でも初心者を歓迎していることや、学生を対象にしたイベントを開催していることが評価されました。
6年の活動の中で、LT90本、招待セッション9本、ハンズオン4本と少しずつ実績を積み上げています。
初学者向けの話が多く、LTが初めてで不安のある方の第1歩の場として使ってもらえるような場づくりを心掛けているそうです。
田原卓弥氏は「コロナ禍をなんとか乗り越えてこのアワードを受賞できたので、大変嬉しく思っています。
皆さんのLTの第1歩としてPyData.Fukuokaを選んでいただけたら」とトロフィーを握りしめながら話しました。
グローバルな技術に気軽に触れられる「Fukuoka.NET」
「C#」の「.NET」というフレームワークを主に扱うコミュニティ「Fukuoka.NET」。
実践的かつ最先端の技術を学ぶことができ、福岡以外でも広く活動している点や、エンジニアの成長に繋がる「もくもく会」や勉強会など、経験が浅い参加者や初心者も参加しやすい活動を行っている点が評価されました。
2016年から活動をスタート。
リアルで集まってコミュニケーションをとりながらの活動を基本としています。
福岡の「福」とドットの「点」で愛称は「ふくてん」。毎月2回、エンジニアカフェで、参加者が自由に勉強したいことに取り組む「もくもく会」も開催しています。
主催の松村優大氏は「『.NET』は全世界で使われている技術で、デスクトップからスマホ、AIに関するアプリなど何でも作れるのでどんどん使ってもらいたい。使ったことのある方もない方も、気軽にコミュニティに参加してほしい」と呼びかけました。