福岡から全国へ! 広がるエンジニアの力 | EFCアワード2023レポート1
「エンジニアが集まる、活躍する、成長する街」を目指してスタートしたエンジニアフレンドリーシティ福岡。2023年12月3日(日)エンジニアカフェにて、表彰イベントEngineer Friendly City Fukuoka AWARD2023が開催されました。
2022年に続き、今回も現地参加とオンライン参加のハイブリット開催です。
表彰式の様子と受賞者LT(プレゼン)、その後行われたトークセッションの模様を、3回に分けてお伝えします。
初回は表彰式とコミュニティ部門・企業部門の受賞者LTのレポートです。
受賞者一覧はこちら https://efc.fukuoka.jp/award2023/
イベント動画配信はこちら https://youtu.be/6H_hIv0fTFs
エンジニアフレンドリーシティ福岡アワード 表彰式&受賞者の声
今回のEFCアワードでは、エンジニアコミュニティの発展に貢献するコミュニティ2団体、エンジニアが働きやすい環境づくりや成長に繋がる取り組みを行う企業3社、ハッカソンコンテスト「Engineer Driven Day」で優秀なプロダクトを制作した4チームに賞が与えられました。
表彰式に先立ち、主催者代表であり、表彰式のプレゼンターも務める福岡市長の高島宗一郎より挨拶がありました。
「ChatGPTをはじめとした生成AIなどによって社会が大きく変わろうとしている今、エンジニアの皆さんの力はますます大事になってきます。時代を切り開いていくのはエンジニアであり、今後も皆さんが活躍・成長できる場所を提供したいと思っています。
そうした中、福岡市に新しい武器が一つ増えました。IT人材を迅速かつ計画的に確保できる「エンジニアビザ」です。企業が海外のエンジニアを採用する際に通常なら1〜3ヶ月かかるビザの審査を、1ヶ月程度に短縮することができます。全国的にも初めての試みで、本日その第一号の認定式も行います。ぜひ多くの企業、エンジニアの皆さんに活用いただければと思います。」
市長の挨拶の後、表彰式に移りました。
【エンジニアコミュニティの発展に寄与した、コミュニティ部門】
全国のエンジニアの学びを助け、活性化させる「CDLE福岡」
「CDLE福岡」は日本ディープランニング協会(JDLA)の福岡で活動するメンバーが集まって作られたコミュニティです。AIの普及と実用化という注目度の高い分野で、全国で活発に活動している点が評価されました。
主な活動はオンラインやオフラインの勉強会です。「ディープランニングを学び始めている人は全国に数多くいます。その人たちが各企業の中で1人で悩まないように横のつながりを与え、いろいろな活動ができるようになることを目指しています」とサポーターの土井聖氏は言います。
リーダーの有馬英俊氏は今後の活動の展望として、AIアプリ開発のハッカソン開催、それを起業に結び付ける活動、九州の企業と県を跨いだ交流、の3つを挙げ、「仲間と一緒に全国展開していきたい。特に九州や沖縄で頑張っていきたいという若い人たちと想いを共有したい」と締めくくりました。
オープンソースを通じてエンジニアを応援する「baserCMS Users Community」
2009年にbaserCMS普及委員会としてスタートした「baserCMS Users Community」。活動に参加するハードルが低いことや活動期間が長いことが評価されての受賞です。
baserCMSとは、2010年にリリースされた国産オープンソースのコンテンツマネージメントシステム(専門知識がなくても更新等の作業ができるツール)のこと。baserCMSでオープンソースを広げようというところからスタートし、GitHubでの開発やSlackでの情報交換、さまざまな質問に答えるフォーラムの運営、勉強会や合宿の開催などを行っています。
2023年はエンジニアカフェでのミートアップや、島原市の協力を得たイベントも開催。baserCMSの開発者である株式会社CATCHUP代表の江頭竜二氏は、「オープンソースを通じて、エンジニアの創出と成長に貢献していくために今後も活動を続けたい」と語りました。
【エンジニアが働きやすい環境と新たな可能性を広げる、企業部門】
ライフスタイルに合わせた働き方を推進する「株式会社スタイル・エッジ」
「株式会社スタイル・エッジ」は、士業・医業等の専門家に向けた総合支援を行う会社です。専門家のサポートすることで本業に集中してもらい、より良い社会になることを目指しています。さまざまなカンファレンスのスポンサーを担い、エンジニアコミュニティの活動へ寄与していることや、共働き世帯の支援などで表彰を受けた実績が評価されての受賞です。
エンジニアが働きやすいように、リモートワークや託児所の設置などライフスタイルに合わせた働き方の支援、バーチャルオフィスなど社員間で気軽にコミュニケーションが取れる仕組み作り、社内で自分の職種以外のジョブを半年体験できる社内留学制度など、社内の環境づくりに取り組んでいます。眠い時は堂々と仮眠をして、その後の生産性を上げる「まどろ眠」制度もその一つ。
リードエンジニアの岩村正平氏は、「何でもできるエンジニアが多いため、今後はスキルを深掘りしていく方向にシフトしていきたい」と今後の課題を延べました。
「論よりCODE(行動)」でスタートアップを増やす「G's ACADEMY」
「G's ACADEMY」は、「セカイを変えるGEEKになろう」をテーマにデジタルハリウッドが2015年に設立したエンジニア・起業家養成スクールです。コワーキングやイベントの会場としてスペースを無償で貸し出すなど、エンジニアへの活動支援が評価されました。
設立のきっかけは、2010年頃からのスタートアップムーブメント。当時海外でスタートアップが次々と生まれたのは、エンジニアに対するリスペクトが非常に大きかったからだと執行役員の児玉浩康氏は言います。日本ではエンジニアというと受託業務がイメージされ、その求人も多いことから、そこをゴールとするスクールも多いそう。G's ACADEMYは、自分たちで設計し、サービスを生み出すエンジニアを育てることをゴールとし、実際にそういった人材を生み出すことに成功しています。
「これからはビジネスのことを話す人ではなく実際に行動する人を中心とした、エンジニア文化によるスタートアップをもっと増やしていきたい」と児玉氏は語りました。
ユニークな取り組みでエンジニアを応援する「株式会社ペンシル」
「株式会社ペンシル」は、1995年に創業した研究開発型ウェブコンサルティング会社です。エンジニアが働きやすい取り組みとしての施策が具体的かつユニークで、充実度が高い点が評価されました。
エンジニアが働きやすい環境づくりへの取り組みは大きく3つ。1つ目は在宅勤務や時差勤務などの柔軟な働き方の推進、2つ目は子供同伴出勤や家族を会社に招くファミリーデイの開催といった子育て支援、3つ目は生産性の向上や残業削減を推進する働き方改革です。在宅勤務は「家ペン」、時短勤務は「短ペン」、残業削減のチームを「定時〜ず 残業バスターズ」と名付けるなど、施策の名前もオリジナリティ満載。
エンジニアの成長につながる取り組みも積極的に行っており、自己研鑽費用を会社が負担する「匠制度」や年間100時間の研修を実施する「100タイム制度」、3ヶ月に1回の評価と目標設定を行う定期1on1があります。
執行役員CTOの林哲成氏は「今後も多様なエンジニアが活躍できる環境づくりをして、さまざまなコラボで福岡とIT業界の発展を牽引していきたい」と話しました。